縦書きか横書きかどちらがが望ましいですか?
最近でも紙の本は、本文のレイアウトはほとんどが縦書き表示です。電子書籍でも、縦書き表示が多くみられます。
しかし、このままの状態が続くのでしょうか?
数十年前から、小学校から高校までの教科書は、国語の教科書を除いて、ほとんどが横書き表示になっています。つまり、子供たちから大人まで、多くの人々は、学校教育を通して横書きの文章を読むことになれてきているのです。
一方、縦書きの文章を特に好むのは、60代以上の高齢者が中心になっています。
現在、電子書籍を読むのは50代以前の大人が多いのですが、こうした情勢を考えると、いずれは縦書きよりも横書きのほうが歓迎されて、主流になるのではないかと思われます。
さらに、販売期間についても考えて見ましょう。
書店で販売する書籍は販売期間が多くの場合1ヶ月と短いため、現在主流の縦書きを選ぶのも良いと思いますが、これに対して、電子書籍やオンデマンド紙書籍は長期的に販売されるものです。書籍の内容によっては、5年先や10年先にも売れ続けてゆくものです。そうだとすると、多くの読者の好みが縦書きから横書きへ変わる可能性が高い将来を見据えて、今から横書き表示を選ぶほうが良いのではないでしょうか?
そもそも、スマートフォンやタブレットの構造は縦長にしたとき持ちやすくなっているため、画面は縦長の向きに保持します。すると、縦書きの文章では、行の長さが長くなりすぎて、目を行に合わせて移動させるのが大変になります。しかし、横書きなら、目の移動が少なく、ずっと読みやすいのです。つまり、電子書籍は横書きの文章を表示するのに適しているのです。
こうした理由から、縦書きに対して特別な愛着がないのであれば、これからの電子書籍は横書きをお勧めいたします。もちろん、紙書籍も同様の理由から横書きをお勧めいたします。
さて、縦書きか横書きかどちらを採用するにしても、原稿を書き始める前にどちらかに決めておく必要があります。それは、漢数字(一、二、三など)とアラビア数字(1、2、3など)の使い分けが、縦書きと横書きでかなり違うため、後から別の表示に変更するのは面倒なためです。
縦書き入力の方法
最終的に縦書きの書籍にしたい場合、パソコンから原稿を作成する段階から縦書きで入力するとレイアウトのイメージをつかみやすくなります。Microsoft Wordで縦書きの入力をするには、次のように操作します。
標準では横書き入力になっているので、[ページレイアウト]タブ(1)をクリックし、[文字列の方向]アイコン(2)をクリックします。
プルダウンメニューから、[縦書き](1)をクリックします。
表示が縦書きに変わりました。
ただし、パソコンから原稿を作成する場合、横書きの方が入力しやすいので、最終的に縦書き・横書きどちらを選ぶ場合でも、原稿作成の段階では横書きで入力して保存されても結構です。
ただし、縦書きと横書きでは、数字と英字の入力方法が大きく変わってきます。その違いについては、Q&A 28 をご覧ください。