書籍の制作・出版

Q&A 9 印税を受け取る銀行はどこを登録したらよいですか?

投稿日:2018年2月8日 更新日:

並行出版のアートジャム

どこの銀行を選びますか?

2015年から、日本で販売された書籍の印税(ロイヤリティ)は、日本の(著者の)銀行に直接に円で振り込まれることになりました。したがって、書籍の印税を受け取る銀行としては、一般的な都市銀行(三菱東京UFJ銀行など)を指定しても問題ありません。

また、あなたが販売する書籍が日本語で書かれている場合、それが米国で売れる可能性はほとんどありません。そのため、あなたが英語で書いた書籍を米国で販売する場合を除いて、以下の説明を読む必要はありません。






★米国で、英語で書かれた書籍を販売する場合:

Amazonから書籍を米国内で販売した場合、その本の印税(ロイヤリティ)は日本のAmazonからではなく、米国のAmazonから支払われます。ここが厄介な点です。

米国内で電子書籍が売れた場合、電子書籍の印税は、月末締め切りで翌々月(60日後)に、Amazon米国法人から円建てで、金額にかかわらず銀行口座に振り込まれます。それに対して、紙書籍が売れた場合、紙書籍の印税は、月末締め切りで半年後に、10,000円を超えた場合に振り込まれます。(支払い方法としてAmazonギフト券支払いを選択している場合は、3,000円を超えると支払われます。)

このどちらの場合も、銀行振込の手数料(リフティングチャージ。2,500円程度)が振り込み金額から差し引かれます。Amazonに限らず、米国の会社が日本の銀行口座に円建てで振り込む場合は、必ずこの手数料がかかります。

一方、印税振込み用の銀行をあなたが登録しなかった場合は、Amazon米国法人から米ドルの小切手が郵送されます。米ドル小切手を日本円で現金化する場合は、銀行によりますが、小切手1枚当たり3,000円~5,000円の手数料がかかります。

つまり、こうした手数料を差し引くと、あなたの手元にはほとんどお金が残りません。

それでは手数料をなるべく少なくするにはどうしたらよいのでしょうか?

それは、銀行振り込みの手数料がかからない銀行を利用することです。

そのような銀行には、新生銀行とシティバンクがあります。ただし、シティバンクは振込み手数料が個人の場合は無料ですが、口座維持手数料が毎月2,000円かかりますのでパスしましょう。一方、新生銀行は、個人名義の口座しか作れませんが、口座維持手数料が無料です。

したがって、新生銀行を印税振込み用の銀行として選びましょう。






新生銀行の以外の選択肢

先に新生銀行を選ぶのがよいと述べましたが、どうしても現在使用中の銀行を使いたい場合、新生銀行を選ばない選択肢はないのでしょうか?

あることはあります。

それは、印税を振り込む銀行として、あなたの銀行ではなく、他人(出版代行業者)が開設している新生銀行の口座をAmazonに登録すればよいのです。この場合、Amazonからの振り込み手数料はかからないので、あなたがわざわざ新生銀行に口座を開く必要はまったくありません。

しかし、その場合、別の問題が生じます。

Amazonが一般の出版代行業者にあなたの印税を振り込んだ場合、その後で、その出版代行業者はあなたの銀行口座にその印税を振り込みますが、その際、印税の全額を振り込むことはありません。もちろん、業者は銀行手数料を差し引きますが、それだけでなく、別の手数料も差し引くのです。通常、本来の印税の半分が業者独自の手数料になり、その残りがあなたに振り込まれます。つまり、あなたが受け取る金額は、本来の印税の半分になってしまうのです。

たとえば、Amazonで売り上げが10,000円あり、印税率が70%だとすると、Amazonから振り込まれる印税は7,000円になります。その7,000円の内の約半分(たとえば、3,500円)が業者独自の手数料として差し引かれ、残りの3,500円があなたの取り分として、あなたの銀行口座に振り込まれるのです。

本来の印税率
業者に差し引かれた後の印税率

この業者独自の手数料は、その書籍の販売を停止しない限り、振込みのたびに毎回毎回差し引かれます。もちろん、これは、電子書籍を製作した時の制作費とは別のものです。

そんなに印税から毎回手数料を差し引かれても良いですか?

良くありませんね。しかし、ほとんどの出版代行業者を利用すると、このようになってしまいます。

でもご安心ください。アートジャムではそのようなことはしません。

アートジャムでは、著者が開設した新生銀行口座にAmazonが直接に印税を振り込むように設定します。あなたは本来の印税の全額を手に入れることができます。

そのためには、少し面倒かもしれませんが、あなた自身の手で新生銀行に口座を開設してください。

なお、年1回、新生銀行から残高と取引明細を記入した郵便物が届くので、その時点の印税の残高を知ることができます。

新生銀行の登録方法

新生銀行
http://www.shinseibank.com/

あなたは自宅や勤務先の近所で新生銀行を見かけたことがあるでしょうか? ほとんどないでしょう。

新生銀行は店舗数が少ないことが欠点です。しかし、一般の都市銀行や、セブン銀行、ローソンATM、ゆうちょのATMなどから、毎月1回、手数料無料で預金を引き出すことができますので、実用的には問題ありません。ただし、将来はサービス内容が変わるかもしれませんので、ご注意ください。

新生銀行の口座開設手続きは、予約して店舗まで行けば1時間ほどで、また、郵送の場合は約2週間で完了します。郵送の場合は、下記の口座開設窓口のフォームに必要事項を入力して、それを印刷してから郵送します。

新生銀行の口座案内: http://www.shinseibank.com/powerflex/

口座開設窓口: http://www.shinseibank.com/powerflex/cam/ao.html

また、郵送の代わりにスマートフォンから申し込むこともできます。

Amazonの出版者登録を始める前に、銀行口座を開設しておきましょう。






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