書籍の制作・出版

Q&A 37 書籍の価格は?

投稿日:2018年2月11日 更新日:

並行出版のアートジャム

書籍の価格はどれくらいに決めたらよいですか?

Amazon.co.jpのストアの電子書籍の価格は、完全に自由に決められるわけではありません。その書籍の印税率(ロイヤリティオプション)によって、設定できる希望小売価格(税込み価格)の範囲が次のように決まっています。

  • 印税率70%の場合: 250円~1,250円
  • 印税率35%の場合: 99円~200,000円

これらは税込価格です。

価格が250円だとすると、印税率70%の場合の印税(ロイヤリティ)は175円、印税率35%の場合の印税は87円になります。(実際には、消費税も差し引かれるので、印税はさらに減ります。) 1冊売れたときにこれが著者の収入になります。

そこで印税率70%にしたいところですが、そのためには以下の条件を満たす必要があります:

  • Kindleストアに本の独占販売権を90日間以上提供すること (これをKDPセレクトといいます)

この90日間の間、その書籍の全体あるいは一部(書籍の10%以上)を他の電子書籍ストアで販売したり、ブログなどのインターネット媒体で電子情報として公開したりすることはできません。

したがって、ブログやウェブサイトなどで公開した情報を印税率70%で書籍化するのは難しくなります。 ただし、そのような電子書籍を印税率35%で Amazon で販売することはできます。

また、印税率が70%の場合、次のようなメリットもあります:

  • Kindle Unlimited (KU。月額の読み放題プログラム)やKindle Owners’ Lending Library(KOL。Amazonプライム会員が月1回無料で1冊を、次の本をレンタルするまでレンタルできるプログラム)で貸し出された回数に応じて、600万ドルの中から分配金を得られます。この場合の印税は、書籍販売の場合の印税と同じくらいの金額になることがあります。
  • 90日ごとに5日間、無料で販売するキャンペーンを打てます 。





一方、電子書籍と同じ内容の紙書籍がAmazonストアおよびその他の書店で販売されている場合、電子書籍の印税率は制限されるのでしょうか?

実はその場合でも、印税率70%は適用することができます。つまり、紙書籍が販売されていても、電子書籍の印税率は自由に決めてよいのです。

ところで、KDPセレクトを選んだ場合でも、最低価格を低くする(たとえば99円にする)ために、印税率を35%にして販売することもできます。この場合は5日間以内の無料販売の後、たとえば99円で有料販売することが可能です。

さて、電子書籍と紙書籍の両方を販売する場合で印税率が70%の場合、電子書籍の小売価格は紙書籍の価格の80%以下でなければなりません。たとえば、紙書籍の価格が1,000円だとすると、電子書籍は800円以下にする必要があります。一方、電子書籍の印税率が35%の場合、そのような制限はありません。

また、青空文庫以外は、Amazon Kindleストアでは、原則として無料で恒久的に本を販売することはできません。しかしプライスマッチというシステムを使えば、恒久的に無料で販売できる場合があります。

プライスマッチとは:

Amazonで販売している電子書籍とまったく同じ内容の電子書籍をAmazon以外の電子書籍ストア(Google playストア、iBookストア、楽天koboストアなど)で無料で販売している場合、その証拠(その電子書籍の販売ページのURL)をAmazonの問い合わせ窓口に通知して無料販売をお願いすれば、Amazonでも無料販売できることがあります。この場合、無期限で無料販売(つまり、無料配布)を継続できます。

以上のことから、設定できる電子書籍価格の条件は次のようになります:

KDPセレクト使用 あり なし
5日間の無料販売 可能 不可能
KUとKOL使用 可能 不可能
印税率 70% 35% 35%
書籍価格 250円~1,250円 99円~200,000円 99円~200,000円
紙書籍の価格と比べた価格 紙書籍の80%以下 無制限 無制限

Amazonの電子書籍の価格帯で最も多いのは約500円であり、この価格は年々上昇する傾向があります。しかし、実際によく売れる価格は300円未満です。

特に、知名度が低い著者の場合の電子書籍の価格は250円~300円がお勧めです。しかし、紙書籍に換算した時のページ数が30ページ以内など、ごく薄い本の場合の価格は99円程度が良いでしょう。

ところで、紙書籍と電子書籍の両方を並行して出版する場合は、紙書籍と比べて電子書籍の価格を大幅に下げると、電子書籍の売れ行きが2倍程度に増加することがあります。

例: 紙書籍の価格: 1,500円
電子書籍の価格: 250円

なお、紙書籍の価格は、たとえば、NexPublishing出版サービスを使って印刷する場合、モノクロ100ページの本で最低販売価格が720円、カラー100ページの本で最低販売価格が1450円になります。この価格に印税を加えたものが実際の販売価格になります。また、紙書籍の場合には、ISBN(国際標準図書番号)が自動的に設定されます。

紙書籍の税込価格は1,500円未満がお勧めです。もしページ数が多くなって価格が高くなりそうな時は、ページの余白を狭くするとか、文字の大きさを小さくするとか、画像の縦横サイズを小さくするとかして、ページ数を減らしたほうが良いでしょう。なお、紙書籍の印税は著者が決めることができます。

もし、紙書籍の印税率が10%、電子書籍の印税率が70%だとすると、印税は以下のようになります:

紙書籍の印税: 1,500円×10%=150円
電子書籍の価格: 250円×70%=175円

つまり、紙書籍がほとんど売れなくても、その代わりに電子書籍が多く売れれば合計の印税は多くなります。このように、並行出版を行えば電子書籍の売り上げが伸びる可能性が高くなります。

製本の状態






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