俳優や声優の声の個性
人の声にはさまざまな個性があります。良い声も悪い声も、それぞれ存在価値があります。
他人の声は、個性的であればあるほど、ただ聞くだけでも楽しいものです。それが俳優や声優になると、なおさらです。
あなたの好きな俳優や声優はどんな声だったか、思い出せますね?
特別に高い声の女優は誰でしょうか?
特別に響く声の男優は誰でしょうか?
特別に多種類の声を使い分けられる声優は誰でしょうか?
映画やテレビを見る時、出演者の声に注目してみましょう。すると、楽しさが倍増します。
このウェブサイトを、あなたが声の個性を楽しむためのヒントにしてください。
声の個性にはどんなものがあるでしょうか?
たとえば、
• かすれ声
• 滑舌が悪い声
•ささやき声
•高い声
•だみ声
•鼻声
•響く声
などがありますね。
ある俳優の場合、男性なのに声が高く、響きが強く、活舌が良い、しかし、うるさくて、長く聞いていると耳が疲れる、などといった特徴があるかもしれません。
特徴というのは、たいてい、複数個あります。
そこで、それぞれの俳優や声優について、声の個性を次のような項目に分類して、それぞれ5段階で評価してみました。
主な特徴 | 柔らかな鼻声 |
---|---|
声が高いか (基本周波数、ピッチ) |
255 Hz (女性としては普通の高さ) |
声が大きいか | (大きい) ~ (小さい) |
音域が広いか | (広い) ~ (狭い) |
活舌が良いか | (活舌が良い) ~ (活舌が悪い) |
基本周波数というのは、声帯が振動して出る音の周波数のことです。ピッチやF0などとも言われます。私たちが実際に聞いているのは基本周波数の音ではなく、基本周波数が口の中や鼻の中で反響して出来た多種多様な音が合成された音です。その合成音は複雑すぎて比較しにくいので、通常は基本周波数を使って音の比較をします。
これらの項目のほかに、暖かいか、柔らかいか、つやがあるか、響きがあるか、雑音が混じるか、うるさいか、こもるか、舌足らずか、力が入っているか、なども場合によっては調べました。
これらの声の特徴は数が多すぎるため、すべてを調べると煩雑になりすぎます。そこで、特に目に付く項目について各俳優や各声優について調べてみました。そのため、調べた項目は、俳優や声優ごとに、少しずつ異なります。
声の個性の調べ方
声の個性を調べるとしたら、まず、調べるための声のサンプルを集める必要があります。
サンプルを取り出すための音源としては、原則として、市販あるいはレンタルのDVDを使用しました。インターネットの動画などの場合は音質がかなり悪い場合が多いので、音源としては適していません。
つまり、俳優や声優が出演している映画やテレビのDVDを選んで、声が入っている部分を私が選んで、それをそれぞれ10秒以内で録音して保存しました。(10秒以内に制限したのは、保存したサンプルを音声解析ソフトPraat(プラート)で分析するために、録音時間の制限を満たす必要があったためです。)
このようなサンプルを、DVDで一人当たり3~10箇所取り出し、DVD別に保存しました。
これらを感覚的(官能的)に評価したい場合、科学的に本格的に評価を行うには、評価者を少なくとも数十人は準備して、サンプルを聞いてもらい、彼らに5段階評価などをしてもらい、その平均値を計算する必要があります。
しかし、今回は趣味の範囲で声の個性を分析するだけですので、そこまで大掛かりなことはしませんでした。評価は私一人で行いましたので、評価結果はかなり主観的に偏っている可能性があります。
声の状態は元の音源の状態によってもかなり影響されます。たとえば、ある俳優の声がかすれているように聞こえても、同じDVDで共演している別の俳優の声と比較してみないと、本当にかすれているかどうかはわかりません。もし、他の俳優の声がつやのある、かすれていない声であれば、先ほどの俳優の声はかすれていると判断することが出来るのです。
それとは逆に、出演者全員の声がかすれているのであれば、それは実際は彼らの声はかすれているのではなく、録音に問題があったために、かすれて聞こえたと考えることが出来ます。
声の評価には、感覚的な評価のほかに、数値データを使った理論的な評価をすることも重要です。たとえば、声が高いか低いかは、声の基本周波数(声帯から出る音の周波数)を測定すれば客観的にわかります。そのような場合、上記の声のデータを音声解析ソフトPraatで分析して、その結果を集計しました。
DVDから私が勝手に選んだ部分だけを評価していますので、あまり客観的な評価結果にはなっていませんが、おおまかな目安にはなっていると思います。
俳優の年齢の調べ方
映画やテレビドラマに出演している俳優は、撮影当時何歳だったのでしょうか? 正確なデータがわかりませんので、下記のような条件で機械的に計算しました。
- 作品の撮影年は不明のことが多いので、作品の公開年を基準に考えました。
公開年 - 俳優の生年 = 撮影時の年齢の上限 - ただし、撮影年は公開年の1年前である可能性があると考えて、1年の幅を持たせて、
公開年 - 俳優の生年 - 1 = 撮影時の年齢の下限
としました。
このように考えると、たとえば以下のように、俳優の撮影時の年齢が計算できます。
作品公開年 | 俳優の生年 | 公開年 - 生年 | 撮影時の年齢 |
---|---|---|---|
2000年 | 1999年 | 1年 | 0~1歳 |
2000年 | 1990年 | 10年 | 9~10歳 |
2000年 | 1980年 | 20年 | 19~20歳 |
2000年 | 1970年 | 30年 | 29~30歳 |
これはあくまで機械的な計算方法なので、必ずしも正確ではありません。映画の場合はほぼ当てはまると思いますが、テレビの場合は撮影してから放映するまでの期間は短いので当てはまらない場合が多いかもしれません。
正確な数字をご存知の方は、ぜひお知らせください。訂正いたします。