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悩み
あなたは、少し話しただけなのに、喉が疲れたり、乾いたり、痛くなったりして、声が変になり、話を続けるのが苦痛になったことはないでしょうか? 話す時に、喉に強い力が入っていませんか?
学校や職場でそのようなことになると、勉強や仕事に差し支えてくるでしょう。
では、喉が疲れるのはなぜでしょうか?
原因
声は、声帯、舌、唇などの発声器官を動かして発声されます。これらの器官は筋肉でできているので、ある程度使えば疲れます。中でも、声帯はもっとも疲れやすい器官です。喉が疲れるというのは、つまり、声帯が疲れるということです。
普段あまり声を出していない人は、少し話しただけで、喉が疲労し、大きい声を出せなくます。一方、普段から声を出している人は、少しぐらい長く話をしても、喉はあまり疲労しないので、大きい声を出し続けることができます。
また、腹式呼吸をしないで話していると、息を長く安定して吐くことができません。そのような状態で、声を出し続けようとして、喉に必要以上に力を入れると、喉が疲労します。
喉に力が入った声のことを喉声(のどごえ)といいます。喉声は、苦しそうに聞こえる悪声です。喉声を出すと、喉が疲れますが、たとえ喉声にならない軽い程度であっても、喉に余分な力が入っていると、喉が疲れやすくなります。
声が小さい人が無理やり大きな声を出そうとすると、喉声になることがあります。
また、喉声の原因の一つとして、舌の筋力低下も考えられます。舌の筋力が低下して、舌が下がっている場合(低位舌)、舌が気道をふさぎがちになり、そのため喉に力を入れて声を出す習慣がついてしまうことがあります。この場合は、舌の筋肉を鍛えれば、ある程度喉声は改善されます。
ところで、喉声を出すと、疲れるのは、それを出している本人だけではありません。つらそうな声を聴いている相手も、同じように、疲れて、不快な気分になってきます。
また、タバコを吸っている人は、タバコの煙に含まれるタールが原因で声帯に炎症が起こりやすく、このような声になりやすいと言われています。
喉声は習慣化すると、その不自然な発声法が当たり前になってしまい、なかなかそこから脱却できなくなります。
それでは、どうしたらよいのでしょうか?
改善方法
あなたが喫煙者であるならば、まず禁煙しましょう。
もし、あなたの舌の筋力が低下している場合は、舌を鍛えるトレーニングを行いましょう。
舌の筋肉を鍛える方法としては、NHKの「ためしてガッテン」で紹介された「カンタン舌体操」が効果的です。その方法は、「ベロは宝」(べろはたから)を強く、一音ずつはっきりと、1日20回発音するというものです。「べ」は思いっきり舌を真下に突き出して発音します。これによって、舌の位置を高く持ちあげる筋肉が鍛えられます。「ろ」と「ら」は舌をなめらかに動かすための運動です。「た」と「か」は舌先そして舌の奥を強く上あごに押しつけて発音するため、食べ物をのどの奥に送る筋肉を鍛えます。この方法は、本来は食事の際のトラブルを防ぐための方法ですが、滑舌を改善する効果もあります。
もう一つの舌を鍛える方法としては、篠原さなえ氏の『「魅せる」声の作り方」』に詳しく紹介されている『「低位舌」を予防するレッスン』です。 少し大きめに口を開け、舌の最先端を上の歯の歯茎の少し後ろあたりにつけ、舌の裏の筋を伸ばします。その状態で、舌の先端を歯茎の後ろにつけたまま口を閉じ、舌全体をべたっと上顎に張りつけます。 舌がしっかりと上顎についている状態を確認し、その状態をできるだけ、一日中保ちます。寝る時は、寝入る直前まで、この状態を維持します。舌の位置を調節してもどうしてもこの状態にならない場合は、口に問題があるかもしれないので、歯科医などに見てもらったほうがよいでしょう。
ところで、喉を疲れにくくするには、喉から力を抜いた状態で声を出せるようにする必要があります。
喉から力を抜けば、喉声もなくなります。しかし、喉声が習慣化した人が、喉から力を抜くのは、簡単なことではありません。
しかし、訓練によって、腹式呼吸を適切に行い、喉の動きを適切に制御できれば、普段の発声の習慣を改善できます。
そのような発声訓練をボイストレーニングといいます。
ボイストレーニングを行えば、喉が疲れにくくなり、喉声がなくなるだけでなく、性格が落ち着いたりするといった副産物も期待できます。
このトレーニングは、書籍やインターネットなどを参考にして、独学することができます。しかし、近所に教室がある場合は、教室に通って、できたら講師から直接指導を受ける方がよいでしょう。その際、歌い方を訓練する教室ではなく、話し方を訓練する教室を選ぶ必要があります。
ただし、近くにボイストレーニング教室があるとは限りません。そのような場合は、代わりに、話し方教室や、朗読サークルなどに参加してみるのが良いかもしれません。
しかし、教室に通うほど深刻な症状ではない場合、自分でトレーニングをしてみるのも良いでしょう。
自分でできる簡単なボイストレーニング
喉が疲れる声や喉声を改善するボイストレーニングは、次のように行います。
喉の力を抜いて発声する練習をします。
まず、呼吸に関する筋肉(インナーマッスル)を鍛える運動を行いましょう。そのために、つま先を外に向けて立ち、スクワットをゆっくり行います。次に、仰向けに寝て、手を頭の後ろに置き、ゆっくりと首を起こしたり寝かせたりします。次に、四つん這いになり、ゆっくりと背中を丸くしたり、反らしたりします。それぞれを、腹式呼吸を行いながら、5~10回ほど行います。
次に、発声のための、体をリラックスさせるための準備運動をしましょう。
(準備運動については、ここを参照してください。)
もし腹式呼吸がうまくできない場合は、ここも参照してください。
ここまでが、準備運動です。
「あくび」をして、喉が大きく開く感じをつかみます。 これが、喉の力を抜いた状態ですので、記憶しておきます。その状態で「ア イ ウ エ オ」と最初は小さな声で、その後、徐々に声を大きくして言ってみます。
次に、本や新聞などから適当な文章を選び、それをできるだけ柔らかな声で、喉を緩めて、はっきりと朗読してみましょう。言葉を適当な間で区切り、大きさのメリハリをつけて、聞きやすい言葉で発音しましょう。
これらを繰り返します。
ただし、声を長時間出し続けていると、声帯を痛めてしまいます。発声練習は20分程度続けたら、その後、20分程度は声を出さないようにして、喉を休ませたほうがよいでしょう。
これらの練習では、必ず自分の声を録音して、それを聞いてみて、進歩があったかどうか確認してみましょう。もし、録音した自分の声が異様に聞こえるようであれば、録音した変な声についての解説を参照してください。
一般に、自分だけで独学のトレーニングを行った場合、すぐに効果が出るわけではありません。少なくとも、1か月以上は練習を続けましょう。また、トレーニングで効果が出ても、しばらく休むと元の状態に戻ってしまいます。満足した結果が出ても、全く訓練をやめてしまわないで、適度に続けることが必要です。
ただし、十分な効果が得られない場合は、独学は切り上げて、ボイストレーニングの教室に通ったほうが良いでしょう。
詳細は、ボイストレーニングの解説を参照してください。
コメント
声についての心配事がある方はコメントをお寄せください。コメントの内容は、アートジャム内のメディアや書籍内で掲載させていただく場合があります。コメント入力欄はこの項目のずっと下のほうにあります。
以下はバックナンバーです:
■管理者 より:
date:2016/01/10(日)16:07
MM様
大変お困りのようすですね。
今までと同じような発声をしていたのに、急にのどが痛むようになったのでしょうか?
そうだとすると、急性か慢性の咽頭炎になっている可能性があります。ウイルス感染や刺激性ガスの吸入などによって起こるようですが、原因に心当たりはありませんか?
慢性咽頭炎をほっておくと、気管支や肺の慢性疾患に進行するかもしれません。早く治療する必要があります。
今の耳鼻咽喉科にかかっても治らないようですので、別の、大きな病院や大学病院などの耳鼻咽喉科で診てもらったらどうでしょうか。
どこが良い病院かは、インターネットなどを使って、「あなたの症状+あなたの住んでいる県名(あるいは市名)」などを入力して、検索して調べてみましょう。
良さそうな病院が見つかったら、できたら、今掛かっている耳鼻科で紹介状を書いてもらうと良いでしょう。(紹介状がないと受け付けてくれない大病院もありますので。)
日常生活の注意としては、のどに力を入れて声を出さないように、大きな声を出さないように、また、声を出し続けないようにしましょう。(20分話したら20分休みましょう。)
■ MM より:
date:2016/01/10(日)10:40
3ヶ月前ぐらいから急に咽喉が弱くなり、1時間人と話しただけでも咽喉が痛くなり、翌日も1日中痛いです。耳鼻科にも行ったのですが、抗生物質を出されるだけで改善されません。加湿器は常につけて寝るときはマスクを濡らして寝ています。蜂蜜も毎日舐めて、咽喉ケアは万全なのですが、電話や会話だけで咽喉が腫れます。急に咽喉が弱くなったのでしょうか?咽喉を強くするために話す→腫れる→黙る→咽喉が弱くなる。の悪循環です。このままでは人と出かけることもできないので、どうか改善方法を教えてください。
■ 管理者 より:
date:2015/11/16(月)14:57
しば様
少し話しただけで、喉が疲れて声が出なくなり、しばらく休むと回復するのですね。
しばさんは、喉に力を入れて話していませんか? 誰でも、喉に力を入れて長時間声を出し続けると、声帯が疲れて、喉が熱くなったり、喉が渇いたりして、声が出にくくなります。
そうなった時は、冷たい水を飲めば症状が一時的に軽くなります。また、長時間声を出さないでいれば、回復します。
喉が疲れて声が出なくな原因は、喉に力を入れる発声方法にあります。喉に力を入れないで声を出す練習を、ホームページに書いてある方法で行ってみてください。
ただし、喉に力を入れないで話す方法を身につけても、長時間話し続けたり歌い続けたリするのは声帯に良くありません。
プロの歌手や俳優は喉を鍛えているので平気ですが、一般の人は、20分ほど声を出し続けたら、少し喉を休ませるようにしましょう。
■ しば より:
date:2015/11/14(土)20:40
普通に話すときに声が震えたり途切れたりします。
1時間ほどなにも話さず、声を出すと普通に話せるし、普通に話せる時もあります!
合唱で裏声を出すときにもたまに途切れてしまいます。喉が潰れる感覚がする気がしてつらいです。
原因と治し方を教えてください。
■ 管理者 より:
date:2015/11/13(金)12:31
たま様
たまさんは、もともと声が小さいのでしょうか? もし、そうであるならば、このホームページにあるような、声を大きくする練習をしてみてください。
あるいは、電話や声がけなどでのみ声が特に小さくなるのであれば、仕事をする際の心理的なストレスが原因かと思われます。対人恐怖症かもしれませんね。もし、そうであれば、面識のない人と話す練習をすれば、改善するかもしれません。
たとえば、公園などで知らない人に話しかけてみるとか、道路で立ち止まっている人に道を聞いてみるとか、朗読などのサークルに参加してみるとか、いろいろ試してみたらいかがでしょうか?
■たま より:
date:2015/11/13(金)00:15
接客業をしていますが、声が出なくていつも苦しいです。ボソボソした小さな声なら出せるのですが、電話や声がけなど仕事になると声が出にくくなります。風邪をひいてるの?といつも言われたりえっ?と聞き返される事が多くて辛いです。
■ 管理者 より:
date:2015/10/12(月)00:04
M.M様
喉が詰まって辛そうに聞こえるというのは、発声障害の一種だと思われます。
大規模な病院または大学病院の耳鼻科で診断してもらってください。
■ M.M より:
date:2015/10/11(日)23:04
大きな声で話そうとすると詰まった感覚と辛そうにいつも聞こえると言われます。この詰まった喉の感覚をなおしたいです。「あー」と大きく叫ぶとパタっと喉がしまって上手く出せないんです。
■ 管理者 より:
date:2015/07/20(月)12:37
k 様
体力が落ちて、疲れてくると、舌の動きが悪くなってきます。
舌が本来の動きをしないで、口の中で高い位置に上がって、そのままあまり動かないで済まそうとして、休んでしまうかもしれません。
さらに、喉の締め方も変わってくるかも知れません。
そのため、人によりますが、活舌が極端に低下して、舌足らずの声やアニメ声になる可能性があります。
舌や喉の動きに注意して発声すれば、多少は改善されると思います。
アニメ声は必ずしも悪い声ではないので、嫌がられるというよりは、単にからかわれているだけではないでしょうか。
あまり気にしないようにしましょう。
■ k より:
date:2015/07/20(月)00:23
体力が落ちてくると、アニメ声に成ってしまいます。先輩や後輩に嫌がられます。意図的にしている訳ではないのですが、原因は何なんでしょうか?
■ 管理者 より:
date:2015/03/19(木)22:42
あいうえお様
朝は声が出るのに時間が経つにつれて出にくくなるのは、声帯の筋肉に異常があって、そのため、声帯に疲労が蓄積しているからだと思います。
喉に力を入れて発声しているなど、不自然な発声はしていないでしょうか?
もし、あなたの発声方法が自然であるなら、別の原因が考えられます。
たとえば、鼻づまりしがちになったため普段口呼吸をして喉が乾燥している、何か強い精神的なストレスを受けている、あるいは、喉に何か病気が起きている・・・など。複数の原因が隠れているかもしれません。
喉の病気では、軽いポリープなどであれば自然に治ることがありますが、重い病気が隠れている可能性もありますので、一度、耳鼻咽喉科で診てもらうことをお勧めいたします。
「鼻が詰まっている時は声が出やすい」というのは、鼻が詰まっていると鼻腔で声が響きやすくなるため、自分の声が自分には聞きやすくなっているのが原因ではないでしょうか。その場合は、他人が聞く場合は、必ずしも声が良く出ているとは感じてくれないでしょう。
「息を吐き切る前くらいのタイミングでは声が出やすい」というのは、息の吐き方にムラがあるためでしょう。たとえば、息の出し始めは喉が緊張して声が出にくいのに、息の出し終わりでは喉がリラックスして声が出やすくなるといった可能性があります。その場合は、喉の力を抜いて発声する練習をすれば、改善するかもしれません。
■ あいうえお より:
date:2015/03/18(水)21:00
ここ1年くらい声のことで悩んでます。
比較的、朝はふつうに声が出るのですが徐々に声が出にくくなり、途切れたり震えたりしてしまいます。鼻が詰まっている時は声が出やすいです。また、息を吐き切る前くらいのタイミングでは声が出やすいです。
原因がわからず悩んでいます。お願いします
■ 管理者 より:
date:2015/03/02(月)11:10
ゆり様
喉が疲れやすかったり、声が裏返えったりするのは喉に不自然な力が働いていて、声帯やその周辺の筋肉を酷使して、過度に疲労して炎症を起こすからです。
喉の力をどうしたら抜けるのか、いろいろ試してみてください。それができたら、喉がリラックスした状態を保てるように、毎日発音練習をしてください。
■ ゆり より:
date:2015/03/01(日)23:28
私は少し喋っただけ(2分程度)で喉が疲れてしまい、枯れたようにガラガラになってしまいます。もともと声が低いほうで、喋っているとよく裏返ります。腹式呼吸をしてますが、なかなかなおりません。最近は喋るのも億劫になってきました。
■ 管理者 より:
date:2015/02/14(土)22:43
福本様
声帯がはれているだけならしばらく放置すれば元に戻ります。
もし異常な感じがするようでしたら、何かの病気かもしれません。早めに耳鼻咽喉科を受診されることをお勧めします。
■ 福本友妃 より:
date:2015/02/14(土)21:11
最近声が出にくくなったり、痛かったり、ガラガラになっています。
これは、声帯疲労ですか?
声が枯れているだけにしては、なにか違うような気がします。